活動の記録

2017年度 第2回研究懇話会

2017年12月17日 17時10分 [関東私立管理者]
研究懇話会

2017年度 第2回 研究懇話会
テーマ:再課程認定を機に教職課程の新たな充実を目指す
-再課程認定、教員育成指標-

日時:2017年12月17日(日) 13:30~17:10
場所:法政大学小金井キャンパス梶野町校舎 東館2階体育館

【タイムテーブル】
13:35~13:45 会長・研究部長挨拶
13:45~14:55 (1)再課程認定に向けた検討状況
14:55~15:10  休憩

15:10~15:25  (2)域内都県市における教員育成指標の検討状況と 
      大学教職課程の対応の在り方 
15:25~16:45  グループ討議
16:45~17:10  質疑応答

【登壇者紹介】
(1)再課程認定に向けた検討状況
創価大学教職大学院事務室事務長 島信行 氏
玉川大学教師教育リサーチセンター教職課程支援室課長 平山守 氏

(2)域内都県市における教員育成指標の検討状況と大学教職課程の対応の在り方
埼玉県教育局県立学校部高校教育指導課主幹兼主任指導主事 木村郁文 氏
千葉県教育庁教育振興部指導課課長          小畑康生 氏
神奈川県教育委員会教育局行政部教職員企画課企画労務グループ主幹
                          神橋憲治 氏
横浜市教育委員会事務局教職員人事部教職員育成課主任指導主事
                          田中保樹 氏
東京都教育庁指導部企画推進担当課長         榎並隆博 氏


【講演報告】(文責:関私教協)
(1)再課程認定に向けた検討状況
島信行氏
(創価大学教育学部教職大学院事務室事務長)
再課程申請に向けた創価大学での取り組み状況についてご発表いただいた。創価大学では3学部、5学科、16課程(研究科専攻は3研究科、6専攻、16課程)を申請中。教職課程への意識が薄く、改善が見込めない学部・研究科には課程の廃止を促した。依頼に際しては教員一人一人に細かく対応。個々に作成したフォームや手引を添付して依頼した。1月末までに履歴書、教育研究業績書を完成させる予定。島氏は「教職課程コアカリキュラム導入により教員の意識が変わり、何をどのように取り組めばいいのか考えてくれるようになった」と述べた。

平山守氏
(玉川大学教師教育リサーチセンター教職課程支援室課長)
 再課程申請に向けた玉川大学での取り組み状況についてご発表いただいた。玉川大学では5学部10学科(教育学部教育学科通信教育課程含む)、4研究科7専攻、1専攻科1専攻で再課程申請を予定。更に31年度新規開設の高校(地歴公民)も併せて課程申請予定。

「大括り化」「中学校における各教科の指導法が4単位から8単位になった件」「完成年度までの在籍の件」「共通開設の件」「教職課程コアカリキュラム対応表」「教育実習と学校インターンシップ」について、それぞれ詳細に報告された。2月下旬〜3月上旬に全申請書を完成させ、3月中旬〜下旬に文科省へ提出する予定。

 2名の講演後、再課程認定に関連して会場内4名の会場内参加者より登壇者に質問があり回答を頂いた。

(2)域内都県市における教員育成指標の検討状況と 大学教職課程の対応の在り方
木村郁文氏
(埼玉県教育局県立学校部高校教育指導課主幹兼主任指導主事)

埼玉県で現在策定中の育成指標についてご発表いただいた。埼玉県では養成期から発展・後進育成期までを5つの段階に分け、ステージごとに身につけるべき資質能力を設ける方向性で検討中。指標は「埼玉教育の振興に関する大綱」「第2期埼玉県教育振興基本計画」「埼玉県公立学校教員採用試験要項」「公立の小学校等の校長及び教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針」を参考にした。1月下旬には策定し、その後公表予定。

小畑康生氏
(千葉県教育庁教育振興部指導課課長)
千葉県で現在策定中の育成指標についてご発表いただいた。小畑氏は指標の策定を(採用活動を含め)政令指定都市である千葉市と共同で行っている点を、千葉県の大きな特徴として報告した。指標は「教職に必要な部分」「学習指導に関する実践的指導力」「生徒指導等実践的指導力」「チーム学校に関する資質能力」の4つの柱に整理。今後は指標を活用し、研修体系の構築にも取り組んでいく予定である。

神橋憲治氏
(神奈川県教育委員会教育局行政部教職員企画課企画労務グループ主幹)
平成29年8月22日に策定した神奈川県の育成指標についてご発表いただいた。神奈川県の指標は文部科学大臣の指針、神奈川の教育の総合的な指針(かながわ教育ビジョン)の個別計画、教職課程コアカリキュラムの3つを柱に、約1年2ヶ月かけて策定。「めざすべき教職員像」の内容をA3用紙1枚で説明できる資料としてまとめた。育成協議会には国立大学1校、私立大学2校が参加。現在、指標の内容を研修講座のシラバスに入れる作業を行っている。

田中保樹氏
(横浜市教育委員会事務局教職員人事部教職員育成課主任指導主事)
横浜市の育成指標についてご発表いただいた。横浜市の指標では教員の求められる資質能力をいくつかのカテゴリーに分け、年次ではなくステージごとに(教員や学校の実態に応じて育成されるよう)設定。事務局では教師塾「アイ・カレッジ」の実施、OJT・Off-JTの充実、メンタリング(メンターチーム)の推進など、大学との連携協働の取組を積極的に進めている様子を具体的に報告された。

榎並隆博氏
(東京都教育庁指導部企画推進担当課長)
東京都の育成指標(「東京都教職課程カリキュラム」)についてご発表いただいた。東京都では、平成20年度策定の「東京都教員人材育成基本方針」及び「OJTガイドライン」を基に指標と研修計画を策定した。指標では職層と経験年数によって成長段階を設定した。榎並氏は、指標に示した基礎形成期(1~3年目)の内容は養成段階においても目指すべき姿として活用してほしいことを強調した。また「東京都教職課程カリキュラム」は大学がカリキュラムをつくる上で参考にしてほしいものであり、大学のカリキュラムが対応していないことで、採用試験で不利な扱いを受けるものではないことを説明した。

このあと、5~6人の小グループに分かれ各都県市の教員育成指標について意見交換を行い、必要があればグループ討議後に登壇者に質問をする事になった。
 グループ討議終了後に2名の参加者より、各都県市の登壇者に質問があり、活発な意見交換が行われた。(本文終わり以下略)