2019年度 第2回研究懇話会
2020年3月7日 12時59分 [関私教協管理者]日 時:2019年12月7日(土) 14:30~17:10
会 場:大東文化大学 板橋キャンパス
<タイムスケジュール>
14:30~ 開会挨拶・全体趣旨説明
14:40~ 演者による報告
(1) 山﨑 保寿 氏(松本大学教職センター 教授)
(2) 保坂 保 氏(千葉県八千代市立村上中学校 校長)
(3) 片岡 勝規 氏 (千葉県立長生高校 教諭)
16:50~ フロアとの質疑応答
17:10 総括、閉会
【報告要旨】
筆者が担当する教職科目「教育課程総論」は、教育課程の意義及び編成の方法を学ぶ教員の免許状取得のための必修科目である。この科目の内容には、教職課程コアカリキュラム対応表によって、カリキュラム・マネジメントを必ず含むこととされている。そこで、本科目のシラバスでは、授業概要を「学校における教育活動の全体計画である教育課程(カリキュラム)及びその編成に関する基本的事項を理解したうえで、カリキュラム・マネジメントの理論と実際を学ぶ。学習指導要領の変遷とその背後にある学力問題や学力観の変化をたどり、新学習指導要領が目指す方向とその重点事項を明らかにする。さらに、学校における教育課程とカリキュラム・マネジメントの事例を取り上げ、その内容と特色について考察する」としている。
教員養成段階で学生にカリキュラム・マネジメントについて教える場合、理論的側面や教育行政的経緯については大きな問題なく扱うことができると思われ、シラバスの提案例でも、「第12回 カリキュラム・マネジメントをめぐる論点」「第13回 カリキュラムをどう評価するか」が示されている(遠藤貴広「教育課程の意義及び編成の方法」横須賀薫監修、渋谷治美・坂越正樹編『概説教職課程コアカリキュラム』ジダイ社、2018年、pp.76-77)。しかし、さらに組織的側面や実践的側面を加えようとすると、学生には学校での指導経験が殆どないので、大学授業の工夫が必要になる。そこで、本発表では、カリキュラム・マネジメントの要素である教科横断的視点、組織連携、地域連携などが含まれた学校の実践事例を検討した取り組みについて報告する。
~「伝え合う活動」を軸に~
そのためには「主体的・対話的で深い学び」の視点での授業改善が求められることは言うまでもない。また育成すべき資質・能力を明確にし、教科等を横断して取り組めるよう教育課程を見直すことも求められる。しかしそれだけでは不十分である。学校外の実社会の様々な物的、人的資源とも繋ぎ、社会と目標を共有して子供たちを育成するという視点が欠かせない。それがあってこそ子供たちに「社会の中で生きる」という意識を抱かすことができる。
本校は学校の「教育課程」の枠だけではなく、地域や社会全体を教室ととらえ「カリキュラム」全体の視点で教育活動を展開することに努めてきた。平成29年度~30年度、千葉県総合教育センターの「カリキュラム・マネジメントに関する研究」の協力校としての取り組んだ様子を報告したい。
~総合的探究の時間「長高メソッド」の場合~
1. 長高メソッドは学校の課題をどのように解決しようとしたか
2. 長高メソッドは生徒のどのような資質・能力を育成しようとしているか
3. カリキュラム・マネジメントを推進できる教員の資質・能力とは何か